こんちは、大阪府の大東市で情報公開制度を活用を続けている光城(みつしろ)といいます。稼業は学習塾をやっています。活動がどんどん活発、過激になっていって、自営業にどんな影響が出るかどうかは知りません。もう、一か八か、自棄糞です。
続けていると申しましても、ついこの間、今年の二月に始めたばかりです。「我々自身のお上意識」に拘わっています。どう変わるのか見物です。 ですから、最新の「活動ノウハウ」を伝えるというよりは、今日来られている先輩たちから、いろいろ教わりたい方なんですが、短い期間にこの本人訴訟を2件起こした「恐いもの知らず」ということで、発表しなさいといわれました。
一人でやっているといっても、さまさまな方々からアドバイスをいただいて、ここまで来ています。ただ、行動はすべて自分で責任を持ちますので、実行するために決めることは早いですね。
今まで、情報公開請求は交付と閲覧を合わせて、13件です。住民監査請求はこの2件プラス1件ただいま提出中です。

ところで、みなさんは、どのようなお悩みをお持ちですか。

組織作りでしょうか。活動資金でしょうか。私は、最近少々無言電話で困っています。関係ないかも知れません。ホントは、どこにカラ出張などがあるのか、わからないので、困っています。またもちろん、活動資金にも困っています。裁判始めるのに、4万円も使いましたので、妻様はカンカンです。これは官官接待ではありませんね。毎日のように市役所に文句いいに行っていたら、「あんた仕事かぁ」なんて皮肉られています。

始めたきっかけ

いざ始めてみて、わが市に昨年十月から、情報公開条例ができたばかりだということも知りませんでした。きっかけは、この冬に蒲団に包まってたまたま観ていたNHKのテレビ番組です。ご存じかと思いますが、東京都世田谷区に「世田谷行革110番」代表の後藤雄一さんという方がいらっしゃいます。その活動を紹介するドキュメント番組でした。よつ葉バターを使う良心的なパン屋さんで、家族持ちです。
それまで、小耳にはさんでいたオンブズマンなんて、行政監視なんて、専門職な頑固一徹な弁護士などだけがするものだと思っていました。
また、そのときにわかったこと。公文書というのは、なんでも書類にして辻褄合わせて、保存しなければならないのか。行政に携わる人間がみな合法的であれば、日本が、わが市がせめて正しくなれるやん、諸悪の根源はここにあったんやぁということであります。
政治といえば、即選挙活動のようですが、どの政党に投票するとか、自分が清く生きるとか、いうよりも、非合法な行政活動がある限り、うまく日本が作用しないと思いました。中央官僚の汚職事件だけが、悪い麻疹のような病気ではなく、これは構造なのだと悟りました。
ちょうど、マッキントッシュというコンピュータにもちょっと飽き、インターネットも、EメールやWWW(ホームページ)も一通りわかった時期でしたので、なにか他に不可解な理不尽な理屈の通らないものを、わかろうとすることに飢えていました。今まで法律や行政、財政学などを勉強したことはありません。社会科学ではなく、人文科学、といっても柔らかい、特にマンガや音楽、映画なんかが好きなんです。

主体性の問題が、一番肝心だと思います。

一人で活動を始めたとき、初めて「市民情報コーナー」に足を踏み入れるのは、とても勇気のいることでした。現に市役所では、嫌み、説教、ご鞭撻をたくさん受けました。
はじめのころ、こんなことをいわれたことがあります。「監査委員はどなたですか」って、その辺の職員に尋ねたんです。「お宅、なんでそんなこと聞きはりますねん」と強い調子の詰問を受けました。
役人といっても、いろんな方がいますよね。今のところ総じて、「弱者に強く、強者に弱い」ということも身を持って知りました。なにもわからないので、なんでも聞きました。知っていても「ああ、そうですか」という態度をとりました。
でも、住民監査請求を出した時点から、態度を変えました。相手が余りにもアンプロフェショナルに写ったからです。「それは違うでしょ」といういい方です。ホントにもう、アカウンティビリティ、「説明責任」なんていいますが、こっちが何度も説明してあげなきゃいけないぐらい、基本的なこと本質的なことがわかっていない役人さんがいます。「あぁ、これが説明責任っていうことかぁ」、なんてこのギャグがわかりますか。
そのためには、勉強しなければなりませんし、勉強が好きでなければなりません。
合理的な思考のためには、語彙、文脈、法規などの言葉の解釈力が必要ですよね。例えば、「自治体ごとに違いますから」、「どこの自治体も同じですので」、彼らの言語使用法を研究成果をまとめて発表したぐらいです。

大人のゲームとして捕えよう。

私が起こした訴訟を金額計算してみると、64499円(賠償要求)-38800円(訴訟費用)=(たった)25699円です。ところが、無形な変化が必ずあると思っています。最近では、「お金使うときに、光城さんの顔を思い浮かべますので、慶弔費をやめて弔旗、旗だけにしました」とも聞いています。
オンブズマン活動は心理戦だとも思います。相手を直接、説得しないことですね。押し問答で悔しい思いをするだけのパターンもありますよね。それよりは、共通認識を持つ人間を探すことが大切だと思います。また思うことですが、決して敵は作りません。法に則って反省を促しますが、感情的に相手を怒らすような、詰め寄ったりはしません。
でも実際は、わからず屋でいけずな監査事務局では、ちょっと喧嘩腰です。いけずというのは、意地悪という大阪弁です。
我々はオンブズパースンとして、また、オピニオンリーダーとして、行政と市民の間に立たなければならないでしょう。市民に我々の行動を知らせるためには、マスコミに活躍してもらうのが手っ取り早いでしょう。
マスコミにいいたいです。甲子園やプロ野球はどうでもいいけど、それやったら、議員野球にもっと紙面を割いてもらいたいものですね。スポーツは感動とかいうけど、現実が変わるほうがもっと感動するでしょう。見せるスポーツが政治問題などの現実を摺り替えている大衆操作っていうこともあるでしょう。

実践的に捕えよう。

間違いや不勉強を気にせず、「当たって砕けろ」っていう精神が必要かも知れません。実際に私の訴訟行動はそうなっています。所詮は「自分、自分たちの税金の使われ方を知る」ということですので、一般的な常識で考えて、反応していけばいいと思いますデス。異議申し立て行動を起こすには、実際に役所の担当者がどう考えているか「取材」してみる必要があると思います。
行政はサービス業ですから、街の銀行やスーパー、コンビニと変わりません。お客さんあっての商売です。大阪府政は潰れかけのようですが、ただの権力持ちかも知れません。

情報戦として捕えよう。

とことん合理的に考えようとも思っています。ちょっとコンピュータかぶれでしょうか。行政自体をひとつのシステムと考えた場合、法的には机上の空論のように、完璧です。ところが、実体、実際は不完全。最近は「継ぎ接ぎ行政」と呼んでいます。
合わせて、メンテナンスは誰もしていません。ホントに「議員さん、何したはりまんねん!?」といいたいぐらい、行政チェックは一切していません。それどころか、自分たちが集っています。
オンブズマン活動は情報戦ですので、情報を得るにしても、発信するにしても、ワープロ機やコンピュータは必要ですね。  また、いかにマスコミの方と協力するかも、作戦では必然ですね。
私の場合、硬派で市民運動情報の多い『週刊金曜日』では、「大東市読者会」を企てています。コピー機を使った機関誌発行、インターネットのメーリングリストを含んだEメールや、ウェブページ、いわゆるホームページは必要です。
ファックス、電話、郵便も使いますが、電子データに越したことはありません。手間や速さや量を考えれば、インターネットの方がよっぽど楽です。また、図書館の書物でも情報を得る。また、新刊本をどんどんリクエストする。

最近よく思うことですが

「近代とは自由と平等に向かうこと」、しかも、日進月歩、一年だって、一日だって、たった少ししか動かないことだと思います。歴史の教科書では現実に我々が参加していることだと思います。確実に歴史に参加している実感がします。
また、こう思います。情報公開条例やこれからの公開法は、大きな船底に開いた閉じられることのない小さな穴です。タイタニックのように突然には沈没しませんが、いずれ沈没する船です。もちろんここでは「沈むもの」という意味は、「我々自身のお上意識」です。
オンブズマンという言葉は、200年近く前に生まれたスウェーデン語だそうで、「すでにほとんど完成した行政監視下での、なおかつの監視活動」だと思います。私の訴訟なんて、つくづく思います。
今の行政に必要なことは、「遵法性と公正な人事登用」だと思います。このまま活動を進めていけば、実現に近いものができるかも知れないとも思っています。
ホントはみなさん方も、正しい政治活動でやりたいことはありますよね。私は例えば、教育問題に突っ込んでみたいですし、環境保護運動にも関心は高いです。また、演劇や音楽活動をやってみたいと思っています。
さぁ最近、私のマックはG3 266というのになりました。これからはもっとがんばってみたいと思っています。