[却下]大東市互助会 – 職員互助会補給金等損害返還等請求 – 平成17年 [地裁] (行ウ) 第89号

大東市互助会
職員互助会補給金等損害返還等請求

平成17年 [地裁] (行ウ) 第89号

提訴 2005年6月8日
判決 2008年1月17日

この色は原告側からの訴状、準備書面など
この色は被告側からの答弁書、準備書面など
この色は裁判所からの判決など
訴状

平成17年 6月 8日

大阪地方裁判所  御中
〒574-0024
大阪府大東市泉町二丁目7番18号
原 告     光城 敏雄

〒541-0041
大阪市中央区北浜一丁目2番2号 北浜プロボノビル
平和法律事務所(送達場所)
電話06-6202-5050
FAX O6-6202-5052
上記原告訴訟代理人
弁護士  井上 善雄
〒530-0047
大阪市北区西天満三丁目4番5号 西天満ワークビル401号
豊島達哉法律事務所
上記原告訴訟代理人
弁護士  豊島 達哉

〒574-0074
大東市谷川一丁目1番1号
被 告    大東市長  岡  本  日  出  士

職員互助会補給金等損害返還等請求事件

訴訟物の価額 金 1,600,000円(算定不能)
貼用印紙額  金 13,000円

請  求  の  趣  旨

1・被告大束市長は、社団法人大阪府市町村職員互助会に対し、105,570,697円及びこれに対する2005年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。

2・被告大束市長は、社団法人大阪府市町村職員互助会に対し、補給金の支払をしてはならない。

3.訴訟費用は被告らの負担とする。
との判決を求める。

請  求  の  原  因
第1 当事者

1 原告は、大阪府大東市の住民である。
2 被告は、被告大東市の市長である。

第2 大阪府市町村職員互助会による補給金と違法「ヤミ退職金」の運用

1.補給金

大東市(岡本日出土市長)は、大阪府市町村職員互助会に対して職員の福利厚生事業に寄与するとして、補給金名下に支給している。
その補給金は、平成16年度でいえば水道局関係をのぞき100,798,931円、水道局関係4,771,766円である。合計105,570,697円に及ぶ。
これらの根拠は「大束市職員の厚生制度に関する条例」により大東市は大阪府市町村職員互助会に参加し、大東市職員の福利厚生事業を行っているというものである。

2.しかし、本来地方公務員の福利厚生事業は地方公務員法及び地方公務員共済法に基づいて、((1))長期給付金として共済年金制度があり、((2))短期給付金として健康保険制度があり、((2))その他の福利厚生事業制度が設けられている。これら((1))~((3))に対応して設立されているのが、それぞれ大阪府市町村職員共済組合、大阪府市町村職員健康保険組合であり、その上に((1))と((2))を除く福利厚生に関する事業を行う目的で設けられたのが本件(社)大阪府市町村職員互助会である。
したがって、本来の事業は年金や健康保険に類似した事業を除外されねばならないものである。
しかるに互助会は(社)大阪府市町村職員互助会定款及び同会々費・禰助金規定を制定して、大東市に対して本人の負担する掛け金の1.64倍にもあたる公金を負担させた上で、これら大東市の負担している公金を本人の退会時に本人の支払った負担金の退会金に上乗せして支給するといった手口にて過大なヤミ給付金を支給している。
本件互助会に対する大東市の負担する補給金額はたった1年で10,557,697円に及び、本人の掛金の1.64倍の金額を公金により負担しているのである。

3.しかし、これらの公費支出を細かく検討すると、ほとんど地方公務員法や地方公務員等共済組合法により定められている正当な法令の要件にも基づかない公務員への上乗せ給付でヤミ給付金として違法である。
職員が受給する内容は大阪府市町村職員互助会事業概要(平成11年~15年度)に記載されているとおり、入院費補助金給付から買物優待券給付にいたるまで26項目に及ぶ支出名目をつけているが、これらは実質法外給付であり、優遇を受けているのである。
また本件給付金は、互助会において地方公務員法の公務員への福利厚生規定の対象外である大阪府町村長会、大阪府市長会、大阪府市町村職員共済組合、大阪府市町村職員健康保険組合互助会に所属する職員の福利厚生事業にも使用されている。従って、これら本件補給金の支出は、この点でも法令に根拠のない違法な利用に供されている。

4.大束市長も互助会会員として退会給付金等の給付対象となっているが地方公務員法42条は特別 職である市長等を対象としていない。従って本件補給金使われ方はこの点でも違法である。
大東市では別途さらに大東市職員互助会という任意団体を結成し、互助会においても大東市より公金による補助金を受け、互助会の事業と同様の事業を行い、大東市職員に対し三重の厚遇処置がなされている。

5.以上のとおり、本件補給金の使途は遵法である。

(1)地方公共団体による互助会に対する本件補給金を地方自治法232条の2にいう補助金としても真に不特定の必要な大東市民の福祉向上のために役立っという公益上の必要がある場合に限られる。
しかし、本件補助金は公務員限定の特定人への補助であり、大東市の互助会に対する本件補給金の支出はこの要件を満たさない。

(2)かつて互助会は、共済制度のない時代に発足し、その沿革からすると法令に根拠のある公務員共済制度ができてからはあくまで自助的なものであるべきところ、これに加えた「第二共済」というべきものになり、そこで支給される給付金は法・条例の共済制度にない「ヤミ共済給付金」になっていった。このような互助会に係わる給付金制度は地方公務員の福利厚生について規定する地方公務員等共済組合法外の法定上乗せ、横出しの給付制度である。この点で互助会を通 しての給付金の支給は地方公務員等共済組合法上も違法といわざるを得ない。このように、同給付金に充てられている本件補給金の支出は違法である。

6.その違法な実態を退職給付金についてみると次のとおりである。
本件補給金の-部は互助会の会員が退会する際の退会給付金に充てられている。
その退会給金は会員が退職したとき、勤続年数及び会費算定の基礎となる給付月 額の1/30相当額を算定基準として支給している。このように、互助会が会員に支給する退会給付金は地方公務員法に基づく退職金(支給金)に上乗せするものであり、その金額からしても社会通 念上認められる額ではない。職員に対する福利厚生事業の範囲を逸脱している。そして地方財政が困難な今日に過大な負担となっている。
地方自治法204条、同条の2、地方公務員法14条、24粂、25粂、41 条の各規定を潜脱するヤミ退職金というべきものである。従って、少なくとも本件補給金の内、退会給付金に充てられている部分が遵法な支出であるのは明白である。

7.本件補給金は会員の退会金以外にも前述のとおり26項目にわたり支給されているが、それらの給付金も社会通 念及び社会儀礼の範囲を逸脱し、地方公務員法41条に違反し、実質的には給与とみるべきである。よって本件補給金のうち、退会給付金以外のこれら給付金に充てられているものも違法支出である。

第3 監査請求

原告は、平成17年3月24日付けで上記第2記載の違法な公金の支出につき、大東市監査委員に対し、地方自治法242条1項に基づく監査請求を行ったところ、同年5月12日付(大東監第186号)文書にて、大東市監査委員は、原告に対し、上記監査請求を却下する旨の通 知を行った。よって本訴に及ぶ。

証   拠

甲第1号証(住民監査請求書)
甲第2号証(住民監査請求の結果)

方   法

附属書類

甲号証写し                    各1通
委任状                       1通


判決 2008年 1月 17日

平成20年1月17日判決言渡 同日原本交付 裁判所書記磯
平成17年(行ウ)第89号 損害賠償等(住民訴訟)請求事件
平成19年12月6日 口頭弁論終結

判     決

大阪府大東市泉町二丁目7番18号
原告          光城 敏雄
同 訴訟代理人弁護士  井上 善雄
同           豊島 達哉
同 訴訟復代理人弁護士 西浦 克明
大阪府大東市谷川一丁目1番1号
被告          大東市長 岡本 日出士 (以下「被告市長」という。)
大阪府大東市灰塚四丁目1番1号
被告 大東市水道事業管理者 多田 由 (以下「被告水道管理者」という。)
被告ら訴訟代理人弁護士
同 俵  正市
同 寺内 則雄
大阪市中央区大手前三丁目2番12号
被告補助参加人 高橋 英
同 代表者理事 大阪府庁別館内 社団法人大阪府市町村職員互助会 岩室 敏和
(以下「互助会」という。)
同 訴訟代理人弁護士 比嘉 廉丈
同          比嘉 邦子
同          渋谷 冗宏
同          渋谷 麻衣子
同          川上 確

主     文

請求5項に係る訴えのうち,平成18年4月から平成19年11月までの補給金の支出の差止めを求める部分をいずれも却下する。
原告のその余の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。

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