中学校教職員の顔写真

2006-10-03 中学校教職員の顔写真に関して異議申立を行いました

異 議 申 立 書

2006年10月4日 大東市教育委員会

異議申立人  次の通り、異議申立てします。

1 異議申立人の住所、氏名および年齢
(1)  大東市泉町2丁目7-18
(2)  光城 敏雄
(3)  49歳

2 異議申立の原因となった処分
平成18年 10月 2日 付けの大東教委教人第197号に よる非公開決定通 知書

3 異議申立にかかる処分があったことを知った日
平成18年10月3日

4 異議申立の趣旨
非公開の取り消しと全面公開

5 異議申立の理由
別紙の通り

異議申立ての理由

この処分は、大東市情報公開条例第7条第1号に規定する個人に関する情報であって、 特定の個人が識別され、またはされ得るもののうち、一般に他人に知られたくないと 望むことが 正当であると認められるためということが、公開しない理由となっています。

実際にはこれに当てはまらず、市民が知って至極当然な情報であり、知らなければ、 学校また行政を介した公的な市民生活ができ得ないものだと私は考えます。 情報公開と いっても、実はそれ以前の問題で、公的な組織が作成した文書でもなければ、 他の情報でもありません。

私が情報公開請求している公人たる教職員の顔写真は、 もはやその名前同様にその人自身であり、からなければ話もできません。
この請求が仮に、教職員の伴侶、もしくは親子の顔写真を公開せよということに なると、明らかに個人情報であり公人というよりは、私人・個人情報ということが いえます。

市民が公人の顔がわからないということは、顔を隠して仕事をしているのか、 公開以前も問題となる。
まさに行政の市民への説明責任が問われています。
名前や顔(面立ち)はむしろ識別されなければならないこと(情報)であって、 説明責任を怠ることは許されません。
大東市は同条例第1条の謳っている「市民の知る権利の保障」、「市政への参加を推進」、 「開かれた市政の実現」、「市民と市との信頼関係」などを具体的に実現しなければ なりません。

以上、もう一度よくお考えいただき、大東市の情報公開制度の進展に 努力していただきたい。よろしくお願いいたします。

異議申立人    光城敏雄

答 申 書

1 審議案件
次の者から提出された異議申立てについて
異議申立人
住所 大東市泉町二丁目7番18号
氏名 光 城  敏 雄

2 審議日
平成18年11月21日

3 結論
平成18年10月2日付け大東教委教人第ト97号で大東市教育委員会(以下「実施機関」という。)
が行った非公開決定の対象となる情報は、大東市内の各市立中学校に保存されているいわゆる卒業アルバム中の教職員集合写 真に記載された各教職員の顔写真(以下「本件情報」という。)と考えられる(後述6本審査会の判断理由参照)。
本件情報については、非公開を相当とするとの判断を行うものである。

4 異議申立ての趣旨及び理由
異議申立書記載のとおり

5 実施機関の弁明の要旨
非公開決定通知書記載のとおり

6 本審査会の判断理由
(1)本件情報の意義について
異議申立人の平成18年9月15日付け情報公開請求書及び実施機関の平成18年10月2日付け非公開決定通 知書においては、いずれも情報の件衰として「平成17年度市立中学校に勤務する教職員の顔写 真」とあり、対象となる情報の範囲が必ずしも明確ではない(偶然写った教職員の顔写 真が含まれている写真等まで含まれると解すると、広範に過ぎて特定を欠くとも考えられる)。
この点について、異議申立人と実施機関において確認が行われたところ、市内の各市立中学校において例年作成されている卒業アルバム(以下「卒業アルバム」という。)における教職員集合写 真に掲載されている顔写真を指すとのことである。そこで、以下では、本件情報を卒業アルバムに存する集合写 真という前提の下で検討を進めることとする。

(2)本件情報、は、実施機関が管理するものといえるか
大東市情報公開条例(以下「条例」という。)は、第2条第1号において、情報公開の対象となる「情報」について、実施機関が
「職務上作成または取得した」もので、実施機関が「管理しているもの」と定義している。そこで、本件情報が掲載されている卒業アルバムは、実施機関が職務上取得したといえるか、また、管理しているものといえるかについて、検討を行う。
卒業アルバムは、大東市内に存する各市立小中学校において例年広く作成されているものであるが、各学校に出入しているアルバム業者が作成の上、保護者が購入しているものであり、撮影も休み時間に行われているものである。各学校は、児童、生徒の思い出作りのためにこれに協力しているにとどまるものと考えられる。また、卒業アルバムは、アルバム業者からの寄贈等により、各学校ごとに保管されているものであるが、大東市文書取扱規程において保存対象となっていないため、各中学校ごとに保存状態は異なっているのが実情である。
卒業アルバムの作成、取得、保管に係る上記事情を踏まえると、実施機関が、職務上取得、管理しているといえるか否か問題が あり、条例による公開の対象となる情報といえないとも考えられる。
しかし、実情として、各中学校において卒業アルバムが保管されている場合があることを踏まえ、条例の趣旨を考慮して、本件情報を実施機関の管理する情報と捉えて、さらに公開、非公開について検討する。

(3)本件情報は情報公開の対象か
公務員に関する情報は、公共性の高い職業のため公開を必要とすると考えられるが、氏名、役職等と異なり、写 真の場合、特定個人の識別が容易になるし、肖像権侵害など権利侵害の程度が大きいので、氏名、役職等と異なる検討が必要となる。そこで、条例第7条第1号の該当性について検討する。

(4)肖像権の権利性について
�@ 定義
肖像権とは、人がみだりに他人から写真を撮られたり、撮られた写真がみだりに世間に公表、利用されることのないよう対世的に主張し得る権利を言う。
�A 肖像権に関する判例
「何人も、その承諾なしに、みだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を有するものというべきである。」(京都府学連デモ事件、最高裁判決昭和44年12月24日)、「人は、みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて法律上保音されるべき人格的利益を有する」、「人は、自己の容ぼう等を撮影された写 真をみだりに公表されない人格的利益も有すると解するのが相当である」として(最高裁判決平成17年11月10日公刊物未搭載)などにより、明確に肖像権という言葉は用いていないが、個人の容ぼうに法的保護が及ぶことが明らかとされている。
したがって、いわゆる肖像権について、「撮影」と「公表」の両方について法的保護が及ぶものである。
�B 本件情報と肖像権
本件では、集合写真の公開が問題となっているが、集合写真の場合「撮影」に関しては、被撮影者(本件では、集合写 真に写っている教職員)の明示の同意があるといえる。
次に、「公表」についての承諾が問題となる。
承諾の判断基準に関する裁判例として「自らの写真を雑誌等に公表することを承諾するか否かを判断する上で、当該写 真の公表の目的、様態、時期等の当該企画の内容は極めて重要な要素であり、人が自らの写 真を公表することにつき承諾を与えるとしても、それは、その前提となった条件の下での公表を承諾したにすぎないというべきである。」と判断したものがある。
本件情報につい七検討すると、教職員には、卒業アルバムに掲載するという限度での「公表」に対する承諾は存在するが、卒業アルバムは、卒業生に対してのみ配布されるものであるから、卒業生以外の者へ本件情報が公表されることは、承諾の範囲を超えると考える。
(5)本件情報の条例第7条第1号該当性 本件情報は、特定個人の識別がされるものである(少なくともされ得ることは間違いない。)。そして、本件情報が、いわゆる肖像権の対象として法的保護に値している以上、一般 に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められることも,また争い得ないところであると考える。
したがって、本件情報は、条例第7粂第1号に該当する。
(6)本件情報は、市の職員が職務上行った情報に該当するか
条例においては、個人に関する情報であっても「市の職員が職務上行った情報が含まれる場合は、これを個人のプライバシーを
侵害したものと解さない」ものと解説されている。この点、前述のとおり、卒業アルバムの集合写 真は、休み時間等において撮影が行われ、その参加も法的に義務付けられたものではなく、任意である。現状、ほとんどの教職員が参加しているものと予想されるが、.あくまでも生徒に対する思い出作りのために参加がなされており、職務上行ったものと評価することはできない。
したがって、条例第7条第1号の例外には該当しないと考える。
(7)小括
以上のとおり、本件情報は、条例第7条第1号に該当するものとして、非公開を相当と考える。
なお、卒業アルバム自体は、生徒たちにとって一生の思い出になり得るものであり、その作成に萎縮的効果 が生じることは、常識的に考えて望ましいものではなく、この点、一定の配慮が必要と考える。
以上の審議の結果、本審査会は、上記3の審議結果のとおり判断するものである。
以上

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